矢板市

矢板市道の駅エコモデルハウス

栃木県矢板市矢板字川原田114-2

矢板市道の駅エコモデルハウス外観 矢板市道の駅エコモデルハウスの場所 矢板市道の駅エコモデルハウスの設計図

エコハウス紹介

矢板市ってどんなところ?

矢板市は関東平野の北端にあり、東京と東北を結ぶ鉄道や道路の幹線が集まっている交通の要衝です。日光や那須に近く、森林資源や自然環境に恵まれた土地柄を活かしたエコハウスを、情報発信基地でもある道の駅に建設して、市民だけでなく往来する多くの人に知ってほしいと考えています。

一見普通の家、その裏に技がある

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矢板市エコハウスは、「道の駅やいた」の中にあり、車ならば一番行きやすいエコハウスのひとつです。見学者は毎年一万人以上と多いのですが、このエコハウス、一見すると普通の家にみえます。それが設計者の狙いでもあり、気候風土と一体となったライフスタイルにふさわしい形の提案です。
特別に広くはない南の庭に落葉樹やグリーンネットがあり、夏は日射を遮蔽して、冬は室内に日射が入ります。建物の南側には土間があり、雨戸・木製サッシ・格子網戸・断熱障子の4層構成を使い分けて夏と冬に対応しています。土間上の2階の廊下は、夏はスノコで通風、冬は畳を置いて断熱と切替えることができるアイデア賞です。

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冷房ではなく通風で涼しい家にと、エコハウスの設計者の多くが挑戦しましたが、完成後の検証で、しっかり有効な通風が測定された例は多くありませんでした。ここでは南側と北側の窓が大きく開く工夫がされ、室内の風も流れやすく設計されているので、通風の心地よさを体感することができます。

エンジニアリングによる設計

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設計は意匠と設備のチームによるもので、すっきりした薪ストーブしかないように見えますが、屋根の太陽熱集熱から床下の蓄熱までが連携しています。模擬居住調査で検証をした10のエコハウス中では、年間のCO2排出量が日照の多い浜松市についで2番目となる0.3トンと大変に優秀でした。詳しくはこちらへ。
エコハウス事業の目的は、全国に近くにあるエコハウスが建って多くの人たちが実感できることです。省エネ機器が満載されたモデルハウスは沢山ありますが、地域の環境にそったエコハウスの真の凄さは、じっくり身を置いて実感することが一番です。

所在地・アクセス

栃木県矢板市矢板字川原田114-2

北緯 36.805353
東経 139.923201
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見学・宿泊について

当エコハウスを見学・宿泊希望の方は、電話かメールにてご連絡をお願いいたします。

エコハウス管理事務所
Tel : 0287-40-0661
Mail : eco-house-yaita@bz03.plala.or.jp

活動の状況

「道の駅やいたエコモデルハウス」の今

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平成22年4月にオープンしたエコハウスは、市直営により管理運営が開始されました。施設見学者への対応、連続セミナー等勉強会の開催、東京大学前研究室による環境性能測定など、様々な利用を通じて普及促進活動を展開。特に環境測定の結果、設計完了時に行ったシュミレーションより良い結果を得ることができました。また、環境性能を「見える化」すること、体感することで一層の普及を目指しています。

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道の駅の完成に伴い、平成23年度からは指定管理者制度を導入して、管理運営が行われています。特に、エコハウスが設置された直後、市民によるボランティア組織が結成され、エコハウスのライフスタイルに合った、家庭菜園や緑のカーテンの管理、冬季に使用する薪ストーブの燃料となる廃材等の調達と薪割りの実施、各種イベント等の企画運営、エコハウスの見学案内など、積極的な活動を行なっています。また、エコハウスの普及促進を図るため、エコハウスの設計者による建築相談会と見学会の実施やエコハウスの宿泊体験など、「道の駅やいた」との協働による活動が展開されています。なお、道の駅の来場者は平成24年度80万人を超え、エコハウスの見学者も毎年大幅に更新されています。

「エコハウスは貴重な経験をした」

3月11日に発生した東日本大震災、震度5弱の強い揺れを受けたエコハウスは、何事もなく、どっしりとそびえ立っていました。筋交いの無いこの施設、「ささら板壁工法」の高耐震性を裏付ける結果となりました。また、震災発生時には、帰宅困難者の避難所、災害復旧のために派遣された自衛隊員の宿泊施設としても活用されるなど、自然ネルギーを利用したエコハウスは災害時にも性能を発揮できることが証明される貴重な経験をしました。

エコハウスの調査で公開された論文、記事、掲載されたもの。
「エコ住宅・エコ建築の考え方・進め方」坂本雄三・柳原隆司・前 真之 共編
「最高にわかりやすい建築設備」GREEN&BLUE UNIT’S
「CASBEE戸建-新築」建築環境総合性能評価システム 評価マニュアル(2010年版)
「2011.2クリーンエネルギー」環境省エコハウスモデル事業特集 
「世界で一番やさしいエコ住宅」ソフトユニオン

設計者の意図

建築の機能性

自然や気候風土と一体となったパッシブ型のライフスタイルにふさわしい形式として土間空間、吹抜、建具によるダブルスクリーン等、住む人の家族構成やライフスタイルの可変性に対応できるようなプランとしました。土間は、廃ガラスを利用した益子焼きタイル。冬季にダイレクトゲインによる蓄熱を期待しています。
土間空間は、室内環境を保つバッファーゾーンとして計画されています。
レイヤー1:日射遮蔽
レイヤー2:木製断熱サッシュ(断熱)
レイヤー3:格子網戸(防犯+通風)
レイヤー4:障子両面(断熱)

まちづくりへの貢献

地場の素材として、たかはら産の杉、桧を中心に益子の再生タイル、大谷石、芦野石、烏山和紙、市内にあるメーカーの太陽光発電パネル等を積極的に採用し地域資源の再生、活性化を目指しました。

環境性

■夏期における環境機能
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南側には、高木の落葉樹の植栽やグリーンネットを設置することにより夏の日射を遮蔽する計画としました。建物の庇は太陽の高度等を考慮し直射日光が建物内に入り込まないように計画し、 南側からの卓越風を上手く取り込めるように建物の南北に開口部を設けました。外部木製サッシュの内側に木製格子戸を設け、格子戸と網戸のみとし通風と防犯性を確保しました。また、1階から2階への風の流れがスムーズになるよう吹き抜けやスノコを設けています。屋根の下地に空間を設け、屋根で熱くなった空気を棟から排出。夜間や朝方の冷えた空気を床下蓄熱層に給気し床下に蓄えた冷気を放出します。

■冬期における環境機能
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南側は、土間タイルによる蓄熱床として昼間の蓄えた熱を夜間に放出します。また、空気の流れを少なくするために2階のスノコには畳を敷きます。1階屋根東側と西側の太陽熱集熱温水パネルは1階下部に設けた地中蓄熱槽と給湯用熱交換器で結ばれています。地中蓄熱槽は秋から春先まで太陽熱を長期に蓄熱して暖房負荷の軽減を目的としています。暖房の補助熱源は薪ストーブとし、給気用外気は全熱交換換気扇により取り入れ、薪ストーブの2重ダクトに入り煙突と熱交換し地中蓄熱槽に吹き込みます。これにより、室内上下の温度差を無くしてコールドドラフトを防止し、室内温度分布を均一にします。ストーブを焚かない時でも地中蓄熱槽からの太陽熱で室内は真冬でも室温が15℃前後で維持されます。

設計

株式会社 フケタ設計
永田英雄
和氣文輝

株式会社 フケタ設計

〒320-0014
栃木県宇都宮市大曽1-5-8
Tel : 028-622-8928 Fax : 028-622-0850
Mail : info@fuketa.com
http://www.fuketa.com/

ZO設計室
柿沼整三
布施安隆

ZO設計室

〒102-0074 
東京都千代田区九段南3-5-6スマイルビル4F
Tel : 03-3262-7503
Fax : 03-3262-7363
Mail : zoconeng@mbf.ocn.ne.jp
http://www21.ocn.ne.jp/~zoconeng/

建築概要

建物概要

構造・階数

木造軸組・2階建・ベタ基礎

敷地面積

500.05㎡

建築面積

208.52㎡

延べ面積

264.02㎡

外皮面積

593.23㎡

主要な部位

屋根〜天井

和瓦・アスファルトルーフィング940・杉板24・通気層18・硬質ウレタンフォーム45・杉板30

外壁〜内壁

杉板24・通気層18・硬質ウレタンフォーム40・空気層40・杉板張り40

床〜地盤面

杉板40・床下空間400・蓄熱栗石40・土間コンクリート200・捨てコンクリート50・砕石100

開口部

建具の構成

木製断熱サッシ

ガラスの仕様

ペアガラス

日射遮蔽部材

木製ルーバー グリーンカーテン

自然エネルギー

太陽光発電

4.8kW・屋根面設置

太陽熱利用

①屋根液集熱式ソーラーシステム(太陽熱集熱パネル11.5㎡・空気熱源HP給湯器・給湯用貯湯タンク420L・暖房用貯湯タンク200L)

消費エネルギー

電気

①の空気熱源HP給湯器

主要な設備

バイオマス燃料

②:薪ストーブ(13.9kW)

暖房方式

②の薪ストーブと①の太陽熱利用

蓄熱 床下空間利用

①のソーラーシステムと②の薪ストーブからの温水を床下空間の砂利に蓄熱

冷房方式

なし

全般換気方式

第1種換気(全熱交換)、薪ストーブ煙突から熱回収によりさらに給気を予熱

サーキュレーター

シーリングファン

給湯方式

①のソーラーシステムによる

環境性能

熱損失係数 Q値(平成11年基準値) 2.2W/㎡K(2.4)
夏期日射取得係数 μ値(平成11年基準値) 0.072(0.07)
外皮平均熱貫入率 UA値(平成25年基準値) 0.75W/㎡K(0.75)
冷房時の単位日射強度あたりの日射熱取得量 mC 17.58W/㎡K
暖房期の単位日射強度あたりの日射熱取得量 mH 23.55W/㎡K
実開口面積比率・開放面積比率 25.9%・30.9%
相当隙間面積 C値 2.8㎠/㎡
太陽光発電パネル容量 4.80kW
模擬居住調査による一次エネルギー消費量 48.0GJ/年
模擬居住調査によるCO2排出量 0.3ton/年