都留市

小水力発電のまちのエコハウス

山梨県都留市上谷1-2-3

小水力発電のまちのエコハウス外観 小水力発電のまちのエコハウスの場所 小水力発電のまちのエコハウスの設計図

エコハウス紹介

山梨県からは二つの市

全国58の自治体の応募から20が選定されたエコハウス事業の中で、山梨県からは都留市と山梨市が選ばれました。
二つの市は25kmしか離れていませんが、都留市は4地域の寒冷地で年間日射量も少ないA3地域、山梨市は
5地域の温暖地で年間日射量も多いA4地域とその気候には大きな違いがあります。

都留市はどんなところ?

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都留市は富士山の北東、標高490mにある人口32000人の山岳都市です。冬の気温が低く、山間のため日射量も少なく高低差の大きなことが特徴です。そのため川の流れが急で年間を通して豊富な水がいつも市内を流れています。
都留市はここに注目して20kWの水車「元気くん1号」を設置し、小水力発電のまちとして全国のモデルになりました。元気くんは2号、3号と増えていき、市役所に電気を送っています。エコハウスも元気くんのすぐ近くに建てられ、小水力発電の電気が供給されています。

太陽の恵みと地産地消

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寒冷地のため木製サッシペアガラスなどで断熱をしつつ、太陽エネルギーをできるだけ利用しようとする設計が特徴です。平面が雁行しているのは、東南の角を増やして日射を取り込み、タイルの床に蓄熱するためです。屋根で暖められた空気を床下に入れる空気集熱式ソーラーシステムも採用され、給湯はソーラーシステムとヒートポンプ給湯器の併用です。
大きな吹き抜けには頂部に窓が設けられて、暗くなりがちな北側を明るくしています。夏は風の抜け道になり、南側から取り込んだ風が吹き抜けに流れ熱気を緩和してくれます。
富士山の溶岩で作られたサイディングによる外壁、炭化間伐材ボードの天井、玄関アプローチと南面にブドウ棚を設けて夏の日射遮蔽にするなど、建材から植栽まで多くの地産地消が試されています。

所在地・アクセス

山梨県都留市上谷1-2-3

北緯 35.550833
東経 138.905
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見学・宿泊について

当エコハウスを見学希望の方は、電話にてご連絡をお願いいたします。

エコハウス管理事務所
Tel : 0554-56-7511
※宿泊は実施しておりません

活動の状況

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都留市エコハウスでは、小水力発電のまちにふさわしいエコハウスのコンセプトづくりや施工を、市民協働により実施することで、広く関心を呼び起こしています。また、このエコハウスを核とし、体験生活などを通じて、暮らし方まで普及啓発が進むよう5つのポイント(100の目標)により取り組んでいます。
この活動の1つが「エコ・カフェ」です。これは、市内にある都留文科大学の学生が、エコハウスを学生自らの学習の場とし、自らが案内役となって、市民や来訪者への啓発・普及活動をするものです。また、温暖化対策を簡単に体験・経験できるイベントを定期的に開催しています。その効果もあって、エコハウスを利用し、都留市の産業振興や、温暖化対策のための活動を行う市民グループが増えてきています。

また、本市では、小水力発電所やエコハウスの設置をきっかけに、環境を守り、それを活用することで産業振興や環境学習へと事業を展開しています。こうした事業を私たちは「エコロジカル・バランスタウン」と呼んでいます。この取り組みは、都留市の豊かな自然を守り、育て、後世に継承し、地域資源として積極的に活用する。そして、健康的で環境の持続性を大切にする市民のライフスタイルを確立し、環境をテーマとする地域産業の振興に繋げていく、という考え方です。これを軸に、環境をよりよくしながらそれを生かした産業を発展させるため、眠れる地域資源の発掘・活用に力を入れています。同時に、持続可能な地域社会づくりの一つの可能性である小水力発電、住宅環境対策に関する普及活動が可能なエコハウスの情報を広く発信し、私たちの“生き方”に対する気づきを促すことが本市の役割と考え、事業を推進しています。

設計者の意図

自然の大切さに気づく家

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樹木の芽吹きや、小鳥のさえずり、風や雲の動きなど、自然を感じることができ、
冬はカーディガンを羽織り、夏はシャツ1枚で過ごす。季節の移り変わりを感じ、
自然と共に生き、自然の大切さに気づく家にしたいと考えました。

南勾配の屋根を大きく取り、日射量の多い地域なので屋根にOMソーラーを設置し、ふりそそぐ日射を最大限利用します。東および南面の外壁には窓を大きく取り、冬はダイレクトゲインにより太陽の恵みを享受します。夏はぶどう棚によるグリーンカーテンや、溶岩サイディングにツタを這わせて壁面緑化により遮蔽します。冬の日差しに暖かさを感じ、ぶどうやツタの芽吹きに季節を感じる家です。
また、建物中央を貫く吹抜けをもつエントランスホールは、空からの光が差しこむライトウェルです。この吹き抜けの圧力差で風を起こし、光と風を感じられる建物にしました。

普及活動の拠点としてのエコハウス

プロポーザルの設計条件として、環境学習やNPOの集会などが行える機能を求められました。そのため、1階西側に「リビング」、吹き抜けのエントランスホールをはさんで2階東側に「大きめの個室」を離して設け、それぞれが独立して同時に集会や展示イベントなどを開催できる平面計画にしています。視察者が多い小水力発電「元気くん」のビジターセンターとしても使われます。NPOが開催しているワークショップ「緑のカーテン」「エコキャンドル作り」などのイベントや、地域の人たちの環境意識向上のための集会、小学生の環境授業など、多くの人に利用してもらい普及活動が盛んに行われています。

設計

馬場設計
奥村一利
伊東大吾

馬場設計

〒400-0026
山梨県甲府市塩部4-15-8
Tel : 055-251-2300 Fax : 055-251-7877
http://www.babasekkei.co.jp

建築概要

建物概要

構造・階数

木造軸組・2階建・ベタ基礎

敷地面積

593.89㎡

建築面積

122.55㎡

延べ面積

191.42㎡

外皮面積

572.82㎡

主要な部位

屋根〜天井

鋼板0.4・集熱通気層40・ルーフライナー・構造用合板12・ウッドファイバー100・遮熱シート・木羽目板12

外壁〜内壁

木下見板15・通気層18・透湿防水シート・木毛セメント板15・ウッドファイバー20・せっこうボード12.5・漆喰

床〜地盤面

蓄熱タイル・コンクリート・キーストンプレート(蓄熱二重床)・蓄熱コンクリート150・捨てコンクリート25・防湿シート・砕石75

開口部

建具の構成

既製木製サッシ

ガラスの仕様

ペアガラスLow-E

日射遮蔽部材

パーゴラ

自然エネルギー

太陽光発電

1.13kW・屋根面設置

太陽熱利用

①:屋根空気集熱式ソーラーシステム(屋根全面集熱・空気熱源HP給湯器・給湯用貯湯タンク460L)

地中熱利用

小水力発電20kVA

消費エネルギー

電気

①の空気熱源HP給湯器/②:エアコン 1階リビング・2階個室(冷房能力5kW:COP=3.7)、1階家事室(冷房能力2.5kW:COP=6.3)

主要な設備

バイオマス燃料

③:薪ストーブ(能力は不明)

暖房方式

①による空気集熱式太陽熱暖房と②によるエアコン暖房と③による薪ストーブ暖房の併用

蓄熱 床下空間利用

①による床下空間での空気搬送

冷房方式

②のエアコンによる冷房

全般換気方式

第1種換気(①による集熱稼働時)、第3種換気(①による集熱非稼働時)

給湯方式

①のソーラーシステムによる

環境性能

熱損失係数 Q値(平成11年基準値) 1.7W/㎡K(2.4)
夏期日射取得係数 μ値(平成11年基準値) 0.127(0.07)
外皮平均熱貫入率 UA値(平成25年基準値) 0.77W/㎡K(0.75)
冷房時の単位日射強度あたりの日射熱取得量 mC 25.05W/㎡K
暖房期の単位日射強度あたりの日射熱取得量 mH 33.40W/㎡K
実開口面積比率・開放面積比率 21.6%・37.3%
相当隙間面積 C値 3.3㎠/㎡
太陽光発電パネル容量 1.13kW
模擬居住調査による一次エネルギー消費量 96.1GJ/年
模擬居住調査によるCO2排出量 2.2ton/年